白いジャージ9 ~最終章~
学校にいても、そのことばかり考えてしまう。
5時間目が終わって、俺は生活指導室にいた。
今日の授業はもう終わり。
「新垣先生、ドキドキしすぎだよ」
喜多先生がコーヒー片手に俺に近付いた。
「ほら、これ飲んでリラックス!」
「ありがとうございます」
俺はソファに座り、一息ついた。
「心配しなくても、いつか生まれるから」
「そうなんですけどね。気になって気になって」
喜多先生は、笑いながら俺を見ていた。
想像していたよりもずっと俺は、ドキドキしていて、心配していて。
どっしり構える余裕なんてなかった。