白いジャージ9 ~最終章~
「そんな話してたんだな。照れるな」
先生は月を見上げた後に、私を見つめる。
私と先生は月に守られている。
「先生達も同じような話をしていたなんて、ね」
「そうだな。みんな、直が好きだってことかな」
先生は、ポンポンと手を頭の上で弾ませた。
「孫の顔が見たいって思うのは当たり前なんだけど、直には言わないで欲しい。やっぱり、辛くない?」
「大丈夫だよ!私も欲しいもん。それに、もう気持ちがわかったから大丈夫なんだ」
先生と私はそっと手を握り直し、目と目を合わせた。