白いジャージ9 ~最終章~
「新垣先生~!!赤ちゃんまだですか?」
生徒が遊びに来てくれた。
授業をさぼってばかりいる3年生の女子生徒だが、とても優しい子だ。
「これ、お守り!!奥さんと食べてね」
購買で買ったあんぱんをくれた。
「おう、サンキュ!!お前、次の授業はちゃんと出ろよ」
「はははは」
生徒の優しさに感動しつつ、俺はあんぱんを半分口に入れた。
もう半分は直にあげよう。
俺のクラスの生徒も、毎日気にしてくれている。
ありがたいな。
俺のことを好きだと告白してきた生徒も、直を応援してくれていた。
直は、お腹に赤ちゃんができてから涙もろくなったと言っていたが、俺も同じだった。
感動する気持ちが今までと違っていた。
時々、ふと涙が出そうになる。
新しい命が宿るって、本当に奇跡なんだよな。