白いジャージ9 ~最終章~
「今日、俺の子供が生まれるかもしれない。それを応援する気持ちで、みんなは自分のご両親に感謝の気持ちを伝えて欲しい。口に出せなくでもいい。心で想うだけでもいい。今自分がここにいるのは、お父さんとお母さんがいたから。必死で産んで、必死で育ててくれたから。そのことを今日はしっかりと考えて欲しい」
誰も俺から目をそらさなかった。
伝わってる。
そう感じる。
「俺も初めてだから緊張してるし、不安もある。ちゃんと妻を支えてやれるかわからないけど、そばにいてやりたいと思う。そして、生まれてきた赤ちゃんをしっかり抱っこしたい。ちゃんとみんなには報告するから、また聞いてください」
誰からともなく拍手が起こった。
俺は深く頭を下げて、ホームルームを終えた。