白いジャージ9 ~最終章~
音楽室 ~END~
―音楽室―
「うわぁ、懐かしい!」
音楽室の前の廊下。
夏休み最初の土曜日。
私と先生は空を連れて、高校に来た。
教頭先生や水谷先生に挨拶をした。
喜多先生にも会えた。
みんなに抱っこしてもらえた空はご機嫌だった。
空は1歳になった。
一歩歩けるようになった。
よく笑って、いろいろおしゃべりをしてくれる。
「空君は、イケメンですね」
と教頭先生は言ってくれた。
「空君、どっちにも似てるね」
と水谷先生が言ってくれた。
喜多先生は
「完全に、モテモテ男子になるな」と笑った。
親バカだと思うけど、空はいい顔をしている。
先生にそっくりってわけじゃないけど、似ている。
私にも似ていると言われる。
キリっとした目が先生に似てるんだぁ。
笑った時に眉毛が下がるのも先生と同じ。
将来、イケメン間違いなし。
ちょっと心配だけど、素敵な恋をして、素敵な女の子と結婚して欲しいな。