白いジャージ9 ~最終章~
サプライズゲスト
―サプライズゲスト―
「遅くなって悪いっ!!」
待ち合わせの場所に現れた誠人さん。
暗がりで見る誠人さんは、先生によく似ていた。
「あれ?お前だけか?」
「愛花が眠そうだったから車で待ってる。眠ってから連れてくるって」
誠人さんは車を指差して、優しい表情で笑った。
「お父さんとお母さん、びっくりするだろうね。ふふ」
ウキウキしている私を見て、誠人さんが言う。
「直さん、めちゃめちゃ楽しそうな顔してるじゃん」
「だって、嬉しいことでしょ?」
私は先生の顔を見上げた。
先生は、そうだよと言って、私の頭に手を乗せた。
「つ~か、兄貴達いつになったら夫婦らしくなるんだよ。いつ会ってもラブラブ過ぎるんですけど~」
なんて言われて、先生と私は嬉しくなってまたニヤける。
「はいはい。お好きにどうぞ」
と誠人さんは呆れ顔。
でも、誠人さんだって、ラブラブなんだよね。
私は、花帆さんと一緒にいる時の誠人さんがとても好きだ。
普段とは少し違う雰囲気で、表情も穏やかで。