白いジャージ9 ~最終章~
「あ~、悪い!俺、携帯忘れて来たんだよ。自分の番号わかんねぇや。住所教えるから案内送ってくれる?」
先生の携帯がポケットに入っていることは知っている。
先生はとっさに、うそをついた。
私のために。
「あ、私番号覚えてるから、教えるよ」
私は、深呼吸をしてからそう言った。
私にできること。
いつも先生に迷惑ばかりかけている私ができることはこれくらい。
大切な仲間なんだもん。
せっかくの再会だもん。
メールアドレスの交換をして、何が悪い?
嫉妬しちゃうとしたら、私が間違っている。
ここは、妻として、絶対に嫉妬しちゃいけない場面だ。