白いジャージ9 ~最終章~
「直、ありがとな。でも、せっかく教えてくれたけど、メールとかしないから」
「いいよ!同窓会のこととか相談できるでしょ?」
「俺が仕切るのは面倒だから。決まってから呼んでもらうよ」
腰に回した手で私を引き寄せる。
「ありがとな。惚れ直したよ」
「ひとつだけ聞いてもいい?」
「何?」
「美樹子って誰?」
こういうことはすぐに聞いた方が良い。
先生と結婚して学んだこと。
「さっきの大竹と同じ、陸上部の子だよ。その子も大竹って名字だったからみんな美樹子って呼んでたんだ。何?心配したの?」
「良かったぁ~!先生がそんな呼び方するの珍しいからちょっと心配だったの」
言いたいことをその場で言えるって本当に楽だね。
すぐに解決できて、良かった。
少しだけ、理想の夫婦に近づけたかな。