白いジャージ9 ~最終章~
「お、お父さん張り切ってるな」
「あ~、手振ってるよぉ」
私の実家の前には、嬉しそうに手を振るお父さんの姿があった。
その横で、日傘を差しているお母さんも笑顔だった。
親孝行ができればいいな。
こんな機会めったにないもん。
「おはようございます。どうぞ、どうぞ乗ってください」
「おう。和人君、真っ黒に日焼けしてますます男前になったな」
お父さんは朝から超ハイテンションだった。
照れ臭そうに笑った先生と目が合う。
先生は部活と体育の授業で、真っ黒に日焼けしていた。
お父さんの言う通り・・・・・・最高にかっこいいんだよね。
1年中好きだけど、夏の先生は特にドキドキする。
あの夏を思い出すからかな・・・・・・
あの高校2年の夏を。