白いジャージ9 ~最終章~
「矢沢。今のは聞かなかったことにする。じゃないと、お前のこと抱きしめたくなるから」
新垣先生は、少し振り向いてそう言った。
キャ~!
そういう展開??
嬉しい。
今日は、ずっと“教師”の顔のままだと思ったのに。
「新垣先生、滝に到着したら抱きしめてくれますか」
調子に乗る私。
「そんなこと言われて、我慢できるか・・・・・・ばか」
静かな山の中で。
小鳥のさえずりを聞きながら。
先生に抱きしめられた。