白いジャージ9 ~最終章~
真剣に山を登り続ける。
時々、振り向いてくれる。
「大丈夫か?」
「足、痛くないか?」
「休憩するか?」
その顔が、やっぱり教師の顔をしていて、ときめいちゃう。
私は、旦那様としての先生にも恋しているし、教師の先生にも恋をしている。
卒業した今でもね。
「お、聞こえるか?滝の音だぞ」
「うわぁ~!本当だ!もうすぐだね」
「あと少し、頑張ろう」
汗が額から流れる。
真剣にただ歩くって、最近なかった。
山登りに来て良かった。