白いジャージ9 ~最終章~
「直と先生は、ケンカしないもんね」
「そんなこともないと思うけど・・・・・・先生が我慢してくれてる部分もあるんだろうな。私、サッパリしてないし、奥さんとしてはだめだと思う」
相手が先生じゃなかったら、どうなんだろう。
私のこの嫉妬深い性格、余計なことばかり考えちゃう性格は、面倒だって思われちゃうかもしれない。
「直は、自分のことわかってな~い!!直みたいな奥さん、私だって欲しいくらいだよ」
ゆかりは、雑貨屋さんの小物を手に持って、そう言ってくれた。
「これ、お揃いで買わない?」
小さなひつじの置物。
「いいね」
「高校の頃、よくお揃いで買ったよね」
「うんうん!!何でもお揃いだったね」
お揃いのストラップ、お揃いのバッグ、お揃いの・・・・・・って。
私とゆかりは、本当に“ふたりでひとつ”だった。