白いジャージ9 ~最終章~
「別に嫌いってわけじゃないんだけどね。卓弥は、この味が好きなのってレシピとか渡されるんだよね。それがちょっと嫌かも・・・・・・」
あぁ、わかる。
もし、先生のお母さんにそんなことされたら、ちょっと嫌だなぁ。
「ハンバーグのソースはケチャップ多めが好きだから、とか言われてさぁ・・・・・・ 別にいいんだけど、ちょっとムカっと来る時がある。結婚したんだから、新しい味を好きになるかもしれないのに。男の子っていくつになってもかわいいんだろうな」
ゆかりは、まだまだ不満がたまっているようだった。
グラスの中の氷をストローで突っついた。
「嫁と姑が心からわかり合えるって難しいのかな。やっぱり無理なのかな・・・・・・」
私はお義母さんの笑顔を思い出しながら言った。
「そうだよね。でも、直んとこは、結構イイ感じになってきたよね。私達もまだスタートしたばかりだから。これからゆっくりわかり合えるように頑張らないと」
ゆかりはデザートのプリンを口へ運んだ。
最後の一口を食べ終えたゆかりは、スッキリした顔をしていた。
「直に聞いてもらったら、なんだか気持ちが軽くなった!!ありがとね」
「ううん!私もゆかりと話せて良かったぁ~」
いつまでも変わらない友情。
本当に大事だな。