白いジャージ9 ~最終章~
「落ち込まないで、直。こんなの普通だから!!たっくんなんて、女の子と飲みに行ったりしてるし、昔はキャバクラに通ってたくらいなんだから」
ゆかりが元気な声で励ましてくれているのに、私にはゆかりの声が届かなかった。
先生から電話がない。
そろそろ帰るって言ったのに。
まだあのお店で飲むの?
また別のお店に行くの?
やっぱり、男の人は、女の人のいるお店が好きなの?
先生は、そういうのは嫌いって言ってたけど、それは私を安心させるために言ってることなの?
先生もやっぱり、楽しいのかな。
綺麗な女の人に囲まれて、ドキドキしているのかな。
もうやだ。
こんな自分も嫌・・・・・・
「飲むよ、直っ!!」
「飲む!!」
久しぶりに酔っぱらってしまうくらいに飲んだ。
何もかも忘れてしまいたかった。
飲んで飲んで、
全部忘れられたらいいのにと思った。
聞かなければ良かった。
私がバカだったんだ。