白いジャージ9 ~最終章~
3種類の温泉があった。
ブクブク泡の出る丸い形の温泉に入った。
お義母さんは気を使ってくれたのか、別のお風呂に入った。
「ねぇ、お母さん。私の考えって冷たいと思う?」
お母さんは、目を閉じながらお湯に肩までつかっていた。
「いいえ。直は間違っていない」
なんだかお母さんらしくないとても冷静な声でそう言った。
「お母さん?」
「直がちゃんと自分の意見を言える子で良かった。昔からちょっと優しすぎる子だったから心配だったの。今回の同居の話も、お母さんは前から予想はしていた」
先生は長男だしね。
お母さんは結婚する時に心配してくれたっけ。
でも、私は絶対にそんな話は出ないんだと言い切っていた。