白いジャージ9 ~最終章~
陸上部のみんなに会えたのは、直のおかげ。
直が大竹にアドレスを教えてくれたから。
だから、俺も参加できたんだ。
俺の青春の詰まったユニフォームが戻ってきた。
俺が忘れていた何かがよみがえってきた。
直の知らない昔の俺のこと、もっと直に知って欲しい。
もっと話したい。
ユニフォームを直に見せたら、喜んでくれるかな?
“先生~!着てみて~”って言ってくれる?
俺、そんなこと言われたら・・・・・・着ちゃうぞぉ~!
健二との間にあった小さな溝も埋まった。
直は知らない。
健二のこと。
このことも聞いて欲しい。
俺の大学時代のこと、いろいろ話せるいいきっかけになったな。
俺は、直の笑顔を頭に思い浮かべながら、電車に乗った。
―先生目線END-