Lonely Lonely Lonely

私は、早速翌週の月曜日に、病院へ電話をした。


病院名と診療科については、泥酔したみるくから、青木くんが聞き出した情報。
もちろん、涼ちゃんからの指示。



(M総合病院 神経内科 藤川翔・名刺を見せてくれました)



達筆なそのメモの文字に、



「グッジョブ!」



と呟き、すぐにPCで、病院のホームページを開いた。



顔こそ出ていないが、あったあった。


藤川翔の名前。


正直、私は架空の人物じゃないかと疑っていたのだが、

いい
どうやら実在するようだ。


こうなると、涼ちゃんの双子説がぐっと現実的になってくる。



私はそこに載っていた電話番号をチェックして、すぐにTEL。



すると、二回コールで、



「はい、M総合病院受付担当、森田でございます」



二回コールで、電話に出るなら、まあいい応対だな。




「私、沢田と申しますが、偏頭痛がひどくて、診ていただきたいんです……。そちらに、いい先生がいらっしゃるとお聞きしまして」



「左様でございますか。それでは、予約状況を確認致しますので、ご希望の診療科名と医師名をお願いいたします」



「はい。神経内科の藤川先生なんですが……」



「はい。かしこまりました。藤川医師の担当日は、火曜と金曜になります」



タイピングの音がわずかに漏れ聞こえて来るが、彼女はスムーズに話を進めて行く。



そんな中で私は、


火曜日、やった!定休日だわ!と静かにガッツポーズ。



「あいにく今週は予約で、いっぱいでございます。早くても来週火曜日の2時になりますが……。急ぎであれば、他の医師でよろしければ、明日にでも可能でございますけれど……」


「いえ、けっこうです。来週火曜日の2時に予約を入れて下さい。お願いします」


「よろしいですか?」



「ええ、大丈夫です」



「かしこまりました」



受付の森田さんは、あっさりと了承。
しつこくないのも印象いいわ。

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