Lonely Lonely Lonely
そして、その日がやって来て、
私は、お昼前ぐらいに、リバティに電話を入れた。
剛は、すぐに出てくれた。
「おひさしぶり、私よ」
「おひさしぶりです。瑠璃子さん。どうしました?」
回りに人がいるようだった。
よそよそしい口調。ちょうど良かったかもしれない。
「ちょっと、お願いがあるのよ。
私のお客さまをひとり、面倒見てほしいのよ~」
「へっ?なんで?」
一瞬、剛の声がひっくり返った。
「どうしても、今日がいいって言うのよ~。でも今日ウチ、定休日だし、あいにく私、外出してて夜まで戻れないから~」
「そうですか~。私でお役に立てるのであれば。ただ、時間は、う~ん、……3時頃になりますが、いかがですか?」
「ああ、いい、いい。ありがとう。なんだか、親戚に不幸があって、明日から東京に行くから、こんなボサボサ頭じゃ行けないーって言うのよ。
実は、私の親友なの」
「親友?ほう!」
「口下手な子だから、よろしくね」
「口下手?瑠璃子さんの親友が?」
「そうよ」
「興味深いですね」
「とにかく、よろしくね。3時って伝えておくから~」
「はい、承知しました」
剛の堅苦しい口調は最後まで続いた。
驚くだろうな。私の親友が、あんなに地味でおとなしい子だなんて。
剛はきっと、期待している。
どんな反応をするか、見ものだ。
(見れないが〉
〈グミ、3時に予約できたよ。リバティすずらん通り店よ。間違えて駅前店に行かないようにね。
私の友達って伝えてあるから、気楽に行ってらっしゃい〉
そう、メールをして、私もいざ、目の前の病院へ!
しかし、予約の時間までは、まだある。
私は、院内のカフェで、時間をつぶすことにした。