Lonely Lonely Lonely
ああ……そっか。
私達、もうすっかり大人なんだったわ……。
昔っからつるんでると、時々麻痺しちゃうんだよね。感覚が……。
「ところでみくちゃん、それっていつ頃の話なの?」
こんなふうに、語りかけてくるグミの甘く小さめの声とか、
来年40歳を迎えるとはとても思えないベビーフェイスとかが、
昔とちっとも変わらないんだもの。
錯覚しちゃうんだよね、まだ若いままのような気がしてしまう。
いけない、いけない。私達は、立派なアラフォーなのだ。
「んとね〜。一ヶ月ちょい前、かな」
身を乗り出してきているグミに、私はそう答えた。
「お前すげーな。それでもう、飯二回って、なかなかの行動力だぞ」
すっかり男言葉になった涼。こいつ完全に仕事忘れたな。
「ふふふっ」
私は、曖昧に笑ったが、
積極的なのはむしろ彼の方だった。
「会いたいなぁ。次はいつ、会えるかなぁ」
そう言ってくれることが、とても心地良かった。
でもなんとなく、彼の名誉のために(?)そのことは伏せた。
「け……け……けこ……んー」
くたっ。
突然声を発した瑠璃子だったが、意味不明な言葉を残して、
再び涼の胸に沈んだ。
「あ〜あ。るりちゃん相当酔っちゃったのね。いつもならあれぐらい、平気なのに」
また梅酒ロックをオーダーするグミ。あんたは相変わらずだな。
「そうだよね。よっぽどみるくが心配なんだよ。……結婚、してるんじゃないか?って聞きたかったみたいだけど」
涼が通訳してくれた。
涼の耳元でむにゃむにゃ呟いたようだ。