Lonely Lonely Lonely
9・反省会
カウンターで、ひとり。
蒼いカクテルを飲んでいると、グミが戻ってきた。
「珍し~い。るりちゃんがカクテルを飲んでいる!」
「バーボン飲みすぎて、飽きちゃったの。だから、水野くんに作ってもらった」
「どれどれ、……うん、ジンの、強めだね。美味しいね。私も、同じの~」
即オーダー。
グミも強いの好きだからね。
「美久の様子はどうだった?」
「みくちゃん、駅裏に向かって走って行ったの。だから、やっぱりあの店だ、と思って、ゆっくり行ったのね。そして、お店で声をかけたら、しばらく泣いてたみたいで」
「そう……」
「グミ、来てくれたの!ありがとう、ありがとうってぐちゃぐちゃの顔で、すがりついてきたの。
もう、怒りなのか、情けないのか、悔しいのか、バカバカしいのか、わけがわかんない、でも、涙が止まらないんだよ~って言ってた。ちょっと、辛かったよ」
そこまで追い詰めたのは、私ね。
「……ごめんね……」
私が小さく呟くと、
「ううん、全然大丈夫だよ」
グミは、持ち前の無邪気な笑顔でそう答えてくれたが。
違うのよ、グミ……。
今のごめんねは、あなたに対してじゃなくて。
正直、剛に言われた、
〈結局お前の自己満足だろう!〉
が、けっこう効いたんだよね。
〈友達失うぞ!〉もね。
アイツが言ってたことって
わりと的を射ていた気がした。
私に、あれだけはっきり言ってくれる男もなかなかいないしね。
こんなことで、剛の言葉を素直に受け止めるなんて。
そして、アイツの良さを改めて認識するなんて。
私も、少々、どうかしてるのかもしれない。
グミの話は続いていたが、大半を聞き流してしまった。