Lonely Lonely Lonely
いけない、いけない。
私は、このまま、あの事を忘れそうになっていた。
そりゃあ私に実害はなかったけど、私の親友を騙していた男なんだ。こいつは。
許しちゃいけないんだー。
もう、やめようかな。こんな付き合いかた。他の男もバッサリ斬って、もっと真剣に、恋愛して、結婚のこと考えたりとか、できるような……ひとを。
「瑠璃子?どした?大丈夫か?」
しまった。考え事してたら、服を着てる途中で、手が止まってた。
名残惜しんでると、誤解されてしまう。
「剛、……あなたは、晴れて独身の身、これからはどうぞ自由な恋愛を満喫して。友達としていうけど、美容師だって、女ウケはいいと思うから、これからはもっと自分の仕事に誇りを持って生きてほしい。これかも、仕事上の仲間として、よろしく」
「ふーん、ああ、よろしくな」
剛はきっと、どうせすぐまた、俺の元に戻ってくるって思ってる。
でも今回ばかりは、そうはいかない。私の決心は固いのだという事実を見せつけないと。
そうは言っても、ただひとつ。
ただひとつだけ、自信のないことがあった。
貴志さんとの関係を、斬ることが出来るかどうか……。
この私が……。