Lonely Lonely Lonely


その日、私は、無性に誠に会いたくなり、久しぶりに、tearsへ行った。


「いらっしゃいませ~。あっ瑠璃子さんだ、お久しぶりです!」


と元気に出迎えて出迎えてくれたのは、野崎くんだった。そして店内に入ると、カウンター席に案内された。カウンターには、女性客に話しかけられている誠と青木さんの姿があった。私は、野崎くんに


「涼ちゃんは、いるの?」



と尋ねた。




「はい、もちろんおりますよ。最近瑠璃子さん達がいらっしゃらないから元気なかったけど奥にいますから、呼んできましょうかきっと喜びますよ」



「まあ、手が空いたらで、いいよ。今日混んでるね。忙しいんでしょ?」




「結婚式の二次会、いや、三次会だっていうグループが急に入ったものだから。ちょっと賑やかですが、すみません!」






「それは全然かまわないけど……」


結婚式の三次会、と聞いて、まさか、先輩がいるのではないか?と思い




振り返って、後 ろの団体さんをひとりひとりチェックした。


先輩は、いなかった。

別グループか、と。

なんだか、妙にホッとしたのは、なぜだろう。



誠に、こそこそ会いに来てると思われたくないという気持ちがあるのかしら?





「瑠璃子さん、先日は、どうも……。あの、今日はうちの、兄貴が行きませんでしたか?」






誠の方から来てくれた。




「え?ああ、うん、うん。いらっしゃったわ。
めっちゃ男前にしてさしあげました」





「俺のこと、何か聞きました?」


「うん、まあチョイチョイね」



誠、疑いの目付き、




「なんかガッツリ聞いた感じですね」



「いやいや、そんな。あなたがすごい秀才だってことを自慢されただけ」


「俺のことを自慢?兄貴が?」



「ええ、とても誇らしげに、話していたわ」



「信じられない……兄貴が俺をそんな風に……?」



「お取り込み中、しっつれい
しま~す。る~り~ちゃん」




涼ちゃんが来た。モリモリのサラダとともに。まるで子供のような声かけで。



私は、


「は~い」


と返事をしてから




「あ、涼ちゃん、ありがとう。相変わらず気前がいいお通しね。
やっていけるの?
心配になっちゃう」


「優しいね、るりちゃんは。そう思うなら、もっと来ておくれ~」




「ごめんごめん、ずいぶんご無沙汰してしまったものね」




「みるくもグミちゃんも、あれからとんと来なくなったしさ
もう涼の店には行かないようにしようぜってことになっちまったのかと……」




グスグス、涙ぐむ涼ちゃん、わりと本気のようだ

わかってる。涼ちゃんが、一番来て欲しいと思っているのは…みるくだ。よほど
心配してるんだなあ。



そう考えると、みるくが羨ましい。


「ところでるりちゃん、なんか食べるかい?」



「えっああ、お腹ペコペコだから、何か、パスタをお願い」


「ほい、トマトソースミートソース、ペペロンチーノ
カルボナーラ等々。何がいい?」


「う~ん悩むわね。なんでも美味しいから、ここは。まあ気分的に、カルボナーラがいいかな」


「はい、かしこまりっ」







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