Lonely Lonely Lonely
そして、
まず一歩へ行き、
誠の作業を待ちながらビールを飲み、
早めに閉店させて
私達は、ホテルへ向かった。
「私、聞きたいことがあるんだけど
」
「なんですか?なんでも聞いて下い。答えますよ」
誠は、相変わらずの優しい口調でそう言った。
「なぜ、tearsで働いているの?」
「ああ、それ、よく聞かれます。
確かに、ラーメン一本でもやっていけるんですけどね」
「お兄さんは、そうなんでしょう?」
「もちろんそうですよ。おかげ様で、繁盛してますので。
うち、涼さんに、すげー世話になったんですよ。開店当初」
「ふーん」
「味には自信あったんだけど、
なかなか客が入らなくて。
ヤバイ、このままではやっていけない!という状態だった時に。
やはり立地が悪かったか、と後悔するほど。売上が伸びなくて
だから俺、バイトすると言って、
以前から、
気になっていたtearsに飛び込んだんですよ。
涼さんは、そんな俺を受け入れてくれたんです。
一応、大学時代に居酒屋でバイトした経験を伝えて。
自分も、開業時は、苦労したから、わかるよって言ってくれて
店が上向きになるまでいつまでもいていいと言ってくれたんですよ」
「ふーん」
「店が軌道にのってきて、辞めようかなと思った時期もありました。
そうしたら、
辞めないでくれ。
週2、3日程度でもいいから。
来てくれないか。
今、お前に辞められると困るんだと言われてそのまま続けてるんです。
バーテンの仕事も好きだから、いいんです」
「でも、それじゃあ身体がキツくない?」
「えっ全然、平気ですよ。
もう、ずっと、この生活だし
バーテンの仕事も好きだから、いいんです」
「へぇ~」
なるほど、と、とりあえず納得した。