Lonely Lonely Lonely
「結局ほんとに鶴だったんだな」
「鶴……?」
「そう。自分で言ってたじゃねーか。彼は鶴だから、恩返ししてくれる」
そういえば、そんなことを
「言った……」
「姉貴さぁ何かそいつが見られたくないものでも見たんじゃねぇの?」
「見られたくないもの……」
……いや、見てないと思うなぁ。
「あっ」
もしかして、聞かれたくないこと……??
「ケータイか?」
裕太は、もはやおもしろがっているようだった。
「違う、違う。ああそうか。そうかもしれないね。そういうことか」
「自己完結かよっ」
「ありがと裕太」
とりあえず乾杯!って、あれ?この子、自分の分もビール持って来てたんだ。
「そしてほんとに消えてしまった鶴に、か?」
「そうそう、ほんとに、いなくなっちゃったぁ〜」
さっきまで泣いてた自分。
まさか裕太に解決してもらって、笑えるようになるなんて、
信じられないけど。
ありがとう、裕太。
こんな弟でも
いてくれてよかった、と思った。
でも、私の中で、優樹のことが完全に解決したわけでは、
決して、なかった。
あの人は最初からセックスだけが目的で近づいてきて、1度ヤッてみて、私では満足できなくて、ポイだったんじゃないか?という考えもあり、
プライドが傷ついた。