Lonely Lonely Lonely
もしくは、裕太の説が濃厚であるとすると、
「マリ」は
瑠璃子が言うように彼の『女』の名前であり、
私が知ってしまったことも都合が悪いが、
私との浮気がマリにばれてしまったために、電話やメールを無視したり、果ては電話を解約せざるを得なかったのかもしれない。妄想だが。
いずれにせよ、私は、優樹に選んでもらえなかったということだ。
20代の私は、このような妄想失恋で勝手に傷ついていることが多かった。
なにしろ、一つの失恋で何パターンも妄想できるから、何度も傷ついていた。
馬鹿だったなぁ。と、思うけど、それが私なのだ。
時が過ぎ、35歳。
私は長い間お世話になっていた美容師さんの紹介で、ある化粧品メーカーの営業マンと知り合った。
お見合いのようなものだった。紹介者である、くららさん立ち合いのもと。
相手は37歳。と聞いていたが、私は歳は気にしない。ふたつ上なら、まぁ
「いいんじゃないですかね?」
って感じで、
ごくごく軽い気持ちで会ってみた。
すると、
決してイケメンとは言えない、中肉中背ややメタボ気味?化粧品メーカー勤務とあって、さすがに髪型はオシャレな男性……が現れた。
「見た目はタイプじゃないかもしれないけど、性格は、すごくいい子だよ。何より、お給料いいから、魅力でしょ?彼の会社は、潰れることはないと思うしね」
お互い、歳も歳なので、もし付き合うならば、もちろん結婚も見据えていなければ、相手にも失礼だ。
そう考えると、
高収入、……は、かなり魅力的。
多少メタボでも。