Lonely Lonely Lonely
私達を出迎えてくれたのは、大量のゴミ袋。
雪崩落ちてくるそれを押さえながら、
「どうぞ、入って」
って、どうやって!?
私は、ゴミの谷間を掻き分けながら、部屋へ侵入して行った。
おそろしい……何日、いや何週間溜め込めば、こんなゴミ屋敷になるのだろう。
そしてとりあえず奥の部屋へ。
途中にキッチンがあったはずだが、それはゴミ袋に阻まれて、様子がまったく伺えなかったが、おおかた見当はついた。
おそらく、何日も洗っていない食器、水アカ、そしてカビ……。う〜〜。
次第に私の顔は険しくなって行った。
そして奥の部屋も予想通り。
「ここって国道沿いだから、布団干せなくて、いつも布団乾燥機なんだ」
というベッドの上の和布団は、とてもマメに乾燥機をかけられている様子ではない。
無理。とても無理。私は寝れそうにない。
しかし、彼はそこへ気持ち良さそうにゴロンと横になった。
クローゼットは開放状態。
洋服は散乱していたが、スーツとワイシャツだけは、しっかりクリーニングされていた。
ま、営業マンだから。
それだけはね。
それだけに、
うーん。騙されたなぁ。
そして、きわめつけ。
ポッポ、ポッポ。
クルック〜〜。
ベランダから、私の大嫌いな、大嫌いな………??
「鳥を飼ってるの…?」
「いや」
と、立ち上がり、ベランダの窓を開けてくれた。風と共に異臭が入り込み、くらくらした。ただでさえ、臭い部屋なのに。
「見て」
と言われて、仕方なく、鼻を押さえながら覗く。
鳩。やっぱり鳩。
しかも。
「タマゴ産んでますね」