Lonely Lonely Lonely
翌日、私は事の顛末をすべて、くららさんに話した。
「あら〜、そうなの。そんな、だらしない子だなんて残念ね。あ〜もう!ごめんねみくちゃん。こんなことになって……!!」
「いえ、くららさん悪くないですよ。見た目では、あんな部屋に住んでるなんて想像つかないし。勉強になりました」
ん?こんなフォローでいいのかな?
「そう〜?そう言ってもらえると〜…………」
良かったみたい。
しかし、ホッと安堵の顔はつかの間。くららさんはすぐに厳しい顔になった。
「いや、でもほんと嫌な思いさせて悪かったわ。良かったらこれ、使って。お友達にあげてもいいから」
手渡されたのは、カット&パーマ半額券。
「あ、いえ、そんな。困ります」
「いいから、いいから」
ほんとに困った。
もうここへは来ないつもりだったから。
「あの人(くららさん)ダメだな。全然似合ってねぇ」
そう言って、最新のスタイルに仕上げてくれた彼の腕は、確かだったから。
あの時は、本気でうっとりしたのに。
私の人生、こんな感じでずっと続いていくのかな。
「みくちゃんには、きっと、もっといい人が待ってるってことだね」
くららさんは、そう言ってくれた。
結局、券を受け取り、私は自宅へ帰った。
半額券は母に全部あげた。
「あらっ。こんなにいいの?ここ、お母さんの友達が、いいよって言ってた美容院だ。みんなにあげたら喜ぶ〜」
そうしておくれ。
私の母だとは言わないでおくれ。
別に言ってもいいか。
これが恋だったのか?
失恋といえるのか?
でもリアルに、結婚を意識したのは、たしかだった。
だから、私は傷ついた。