Lonely Lonely Lonely

その後､映画館で出会った園田一弥さんとは､三ヶ月ほどの付き合いだったが､すぐに妻帯者であることがわかったので､縁を切らせていただいた。



なぜわかったのかと言うと……。



ブーッブーッブーッ



ちょうど自宅での夕飯後に､鳴り始めた私の携帯バイブ音。見知らぬ携帯番号だった。



「中山美久さんですか？わたくし､園田一弥の家内でございます」



「えっ」



「驚きましたか？」



だって､家内ってことは



「結婚､してたんですか？」



「ええ。二歳になる息子もおります。知らなかったんですね」



「独身だと聞いていましたので……」



「そうですか。知り合ってまだ間もないようですね､身体の関係はありましたか？」



「ないです」



「そうですか」



なんだか､落ち着いた言い回し。
というか､こういった会話に慣れている感じ。



「中山さん､彼は浮気癖のあるどうしようもない男です。あなたの名誉のためにも､あなたから､お別れをなさった方がよろしいかと思います」



これって､
これって､
すごい丁寧な言い方されてるけど



うちのダンナと別れろって言われてるんだよね。



「そうさせていただきますが……」



はい､承知しました。さようなら､で私の気持ちが整理ダンスのように片付けられるのは嫌だった。



「さっき､浮気癖があるとおっしゃってましたね」



「ええ､言いましたが」



やはり､落ち着いてる。この切り替えしにも慣れてんのか〜。