Lonely Lonely Lonely
「用がないんなら、行くぞ。じゃあな。あんま暴れんなよ」



「待って」



引き止めてしまった。



「なんだよ」



「牛乳……。お願い。あったかいの。それでそこに……あっいいや。虫歯になっちゃうから」



スッと裕太は消えた。



そして約5分後



きたぁ、ホットミルク☆



眠れそうにない夜は、これに限る。



「500円な。つけとくから」



「はぁ?これもお金とるの?」



先週飲み会で迎えに来てもらった時も


「1000円な」



と言われた。



「俺を利用しすぎなんだよ」と。まぁそれは仕方ないかなと思ったんだけど……。



「ちょっと!高くない?これ500円は」



「高くない。迷惑料と優しさ料込みだから」



優しさだとぅ〜〜??



たちのぼる湯気からはほんのりと甘〜〜い香り……もしかして。



「歯、磨いて寝ろよ」



最後にそう言って、裕太は自分の部屋(隣)へ。



「ありがとう」



その声が、届いたかどうかわからない。



ごくん、とミルクを飲んでみた。



やっぱり、ハチミツが入ってた。私の好きな飲み方。



まぁいいか……500円。



おいしいホットミルクで私はだいぶ落ち着きを取り戻した。



「みるく、みるくーー!!」



ふと、涼の声を思い出した。あいつ、どうしているかな。


再会は、そう思っていた矢先のことだった。



つづく

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