Lonely Lonely Lonely
瑠璃子は、大学時代、その学校で一番の美女に与えられるといわれる称号「ミス・キャンパス」を軽〜く手に入れてしまったほどの美人だ。
本人は「さすがの私も涼ママには敵わない」
と、謙遜しているが。
でも美人の自覚は幼い頃からあったようで、
高校時代も、当時人気No.1だった男子生徒はもちろんのこと、新任の星野先生までメロメロにしてしまったのだ。
先生のことは、意図的に。
それを、私と、グミだけが知っていた。
化学の担当だった星野先生と、瑠璃子が放課後の実験室でキスしているのを私達は目撃してしまったのだ。
私とグミは、もともと仲が良かったが、瑠璃子は、まるで口止めするかのように、私達二人組の仲へ入り込んできた。
私達の付き合いのきっかけは、そんなことだった。
凡人な私とグミ、それに美女瑠璃子という、一見異様な三人組であったが、
つるんでいるうちに、凸と凹が○くなり、うまく噛み合って今日までの長い付き合いに至っている(もう20年……以上になるのかぁ)。
星野先生は、私達が高校を卒業した三年後に、長く付き合っていた彼女と結婚した。
え?長く付き合っていた?
瑠璃子からその報告を聞いた時、私は全身の毛を奮い立たせながら大声を張り上げた。
「じゃあ、先生は、ずっと二股かけてたってこと!?」
許せない許せない許せない!!私は、当の本人瑠璃子以上に荒れた。
「仕方ないよ、割り込んだのは、私だから」
悲しげに言った瑠璃子の顔が今でも忘れられない。
あの頃、瑠璃子は今よりずっと純粋だったんだ。
周りから、とかく近寄りがたいと言われがちだった瑠璃子は、
「あたしを変な目で見ないのは、あんた達だけ。だから安心して話せる」
いつしか私とグミに、そんなことを言うようになっていたのだ。