Lonely Lonely Lonely

「ああ……そ、そうだね。どうしよう」



「橋本めぐみ……だから、めぐみ、じゃ普通すぎてつまんない。



グミにしよっ。グミ。ね、かわいいでしょ?おいしそうだし、グミ」



「ええ〜っ」



私はそれまで、あだ名なんてつけてもらったことがなかった。



すごい新鮮……というか、グミって……照れ臭いなぁ……。



「恥ずかしい?」



「少し……」



「すぐ慣れるよ、グミ!」


「あ、じゃあ、中山さんは……美久だから……なんだろ……」



「普通にみく、とかみくちゃんでいいよ」



「ええっ、なんかズルくない?」



「どーして〜?だって、いじりようがないでしょ。私の名前」



「みく……みぃちゃんとか、う〜ん〜そっかぁ。確かに、ありきたりしか浮かばないなぁ」



「だから、普通でいいってことで。ハイ、この話終わり。ちょうど音楽室とうちゃーく!!」



こうして、みくちゃんとのキャンパスライフが始まっていったのです……。



半年以上が過ぎて、クラス内の星野先生熱もだいぶ冷めてきた頃、



「実験室、行ってみようか」



放課後、退屈をもてあましていた私たちは、そんなことを言って、忍び込むように2階の実験室へ向かいました。



クラスの熱が冷めても、私の胸のドキドキはまだ、治まっていませんでした。



「今日は雨だからサッカー部休みになったって。こんな日は、たぶん……」


みくちゃんの発言に補足をしますと、星野先生は、サッカー部のコーチ(監督ではない)をしています。



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