Lonely Lonely Lonely
「沢田さんだったね。てっきり三年生かなと思ったけど。彼女やるねぇ」
ああ……やはり。
私は、彼女と目が合っていたのです。薄暗かったけれど、その目は……
勝ち誇ったような優越感に満ちていたような気もしたし、
やっと、見てもらえた、という誇らしげな瞳にも見えました。
私は、涙を堪えました。
「泣いてる?」
そう聞かれて、
「ううん、大丈夫」
と答えた声は明らかに涙声でしたが、
雨で視界が悪かったことが幸いでした。
「そう?じゃあ、また明日ね!」
みくちゃんは、しつこくつっこんでくることもなく、分岐点でさらっと別れてくれました。
その途端、
私の涙は、滝のように流れ出したのです。
失恋……?
いや、ショック……かな。
先生は大人だから、キスやら、さらにそれから先のことやらだって経験済みだろうってことは、
さすがに、私も分かってましたよ。
でも、でもその相手が、
同級生だなんて…………、そしてそれを目撃するだなんて、思ってもみなかったから…………。
そのことがショックでした。それで、涙が溢れ、むせび泣きながら、私は帰宅しました。
悲しいとか悔しいとかじゃなくて、なんなんだろう、これは。
私の初恋は、これで終わりを告げました。
その日の夜は、眠れませんでした。