Lonely Lonely Lonely
翌日、登校すると
すぐに沢田さんがやってきました。
「昨日はお世話さま」
彼女の声は意外と優しい感じでした。
でも、お世話さまって……??
「なんのことかな?」
とぼけようとしましたが、ダメでした。
「こちらからはよく見えてたから。二人のマヌケ面がね」
ひょええ~~!!そんなこととはっ……!!
みくちゃん、早く来て早く来て~!!
私はひたすらそれだけを願いました。
「あなたたち、たまにああして覗いていたんでしょう?
彼が言ってたわ」
彼! !?今、この人先生のことを、彼と言いましたよね?
ってことは、つまり……?
「付き合ってるの?先生と……」
シッッっと、沢田さんは唇の前に人差し指を立てました。
「大きな声で言わないで。秘密の関係なんだから。
誰にも、言わないでよね。よろしく」
その美しい顔がどんどん接近してきて、私がおびえていた時に
「そんな幼稚なこと、私達がするわけないでしょう」
みくちゃんが、来てくれた。
「おっはよう、グミ」
私達には、普通の挨拶。でも、
「えっ、グミ?」
るりちゃんはその頃、クラスの子のニックネームなんて知らなかったのです。
先生との事があって、孤独なウルフを演じていたるりちゃん……。
「そうだよ。私がその子につけたアダ名」
みくちゃんは、はやばやと一時間目の英語の教科書を用意しながら言いました。
「私もそう呼んでいい?」
「えっっ、別に、いいけど……」
だってもうみんなからそう呼ばれてるし。
「グ……グミ?……」
控え目な呼び方に、私は満面の笑みを返してあげました。
るりちゃんが、孤独じゃなくなった瞬間でした。