Lonely Lonely Lonely

るりちゃんからの手紙には、こう書かれていました。


「今日は、ご来店ありがとう。私のお城、気に入ってくれたかな?

辛い過去があったようですね。店だったから、話、聞いてあげられなかったけど、そのうちごはん食べに行こう。連絡下さい。」


そして電話番号とメールアドレスも記載されていました。



「あら~。ずいぶん切ったのねえ。そんなに短いのは、小学校以来ねえ」



帰宅した私を見て、母はそう言
うのでした。



さすが母です。



たしかに、こんなに短くしたのは、小学校低学年以来かもしれません。



「いい。いい!すごくいい。似合ってる。今までの黒髪より、ちょっと茶色いほうが、あんた、似合うのねえ。良かったねえ、るりちゃんに会えて。気分も、少し変わったでしょう?」



私を見た母のテンションは、上がって行くばかり。



「お母さんも、行こう~っと。めぐみと同じ髪型にしてもらおう!」



よっぽど舞い上がったらしい母は、そんなことを言い出しました。



「やめてよ。あの美容院に行くのはいいけど、同じ髪型は、やめて。双子みたいになっちゃうでしょう!」



元々、母似だった私ですが、年を重ねるごとに



「ますます似てきたねえ」



と、よく言われるのです。
特に声は、そっくりらしくて、
電話に出ると間違えられることが多々あります。



「あらやだ。そんなこと言って~。でも、確かにそうだね。私達背格好も声も似てるから、お父さんが間違っちゃうといけないし、違う髪型にしてもらおうかね」



クククゥ、フフフフ……。母は、苦しそうに
笑っていました。


その姿は、泣いているようにも見え
ました。





きっと嬉しかったのです。
いろんなことが。そして心から、るりちゃんに感謝しているのです。

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