Lonely Lonely Lonely

中学時代は、テキトーに、男子と付き合っていた。



ケンイチお兄ちゃんを越える人は、なかなか現れなくて……。



だから、言い寄ってくる中で、成績も運動神経も、そして、見た目も良いの3拍子が揃っている男子を選んで、付き合っていた。



別に、好きでも何でもなかった。



この頃、私は男を「アクセサリー」だと認識してたいた。



飽きたら替える。
私は、初恋以来一貫して年上好きだったので、付き合うのはいつも先輩。



当然、そんな私は、まわりの女子から煙たがられていたので、友達は、ひとりもいなかった。



中3になると、私は仕方なく同級生と付き合いながら、卒業した先輩とも付き合っていた。



そう、私はこの頃「ふたまた」ということを覚えた。



だって仕方ない。先輩とは別れたくないし、学校内にアクセサリーがないのも耐えられない。




だから、本当は好みではない「同級生」とも付き合うようになったのだ。


そんなろくでもない幼児期を越えて、高校入学。



私は、入学式の日に、その人と出会った。


近所のコンビニに、パンを買いに行った時。



ひどい雨だったその日、買い物を終えて店から出て行くと、



乱暴な運転をして帰って行く車に、



ビシャンッッと水溜まりの水をかけられてしまった。



車は。あっという間に去ってしまい、ナンバーはもちろん、車種すら記憶できなかった。



「ひどい……」



入学式なので、車の中で母が待っていた。



新品の制服に、雨水かけられるなんて……。



そこへ駆け付けてくれたのが、星野先生だった。



「ひどい車だったね。良かったら、これを使って」



と、タオルを貸してくれた。
ウーン、イケメン……。とはいえ、見知らぬ男……。



私がためらっていると、彼は続けて言った。



「その制服、M学園高校だね。俺、新任の先生だよ。俺のことまだ知らないってことは、新入生だね。在校生には挨拶してあるから」
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