Lonely Lonely Lonely

「君達と同じ、先生一年生です」



先生が、クラスのみんなにそう挨拶した時、私は頬杖をついていた。



そんな私は目立ったらしく、すぐに目が合った。そして、私達は微笑み合った。



ほんとは、確認したかったんだけど。
タオルの中に、こっそり忍ばせたカード。


ありがとうございました、の一言と、携帯の番号とメルアドを記した……。


先生、気付いてくれた?ってね。



でも、わざわざ確認する必要は、なかった。


その夜


メールが届いたのだ。



「俺の挨拶、変だったか?」



星野先生だ!と、すぐにわかった。



「変じゃなかったですよ、全然」



嬉しさのあまり、すぐに返信してしまった。




「そうか?なんか、失笑が起こってたような気がしたんだが……」



たしかに!



でも私は、



「そうですか?気のせいですよ」



と返した。



それから、私達の関係は、じわじわと近づいていったのだ。



内緒のメールが増えていくと、二人での密会までは、そんなに遠くないものだった。



我ながら、教師相手によくやったものだ。



お互いに、バレたらクビだ、退学ですよ、などと恐ろしいことを口にしながらも、離れられなくなってしまった。



私は、先生に出会って、セックスを覚えた。



初体験は、高校2年になってから。
いよいよ先生の理性が抑えられなくなり、私達は、結ばれた。



初めての私に、先生は優しかった。



先生には、大学時代から付き合っている彼女がいるということも、この頃にはもう知っていた。ここは東北、彼女は地元の大阪にいるという、遠距離であることも。



2番目でも、良かった。
だって、私にも、2番目、3番目がいる。他人を非難できる立場ではない。



そして、私自身が2番目になることも、
おかしい話ではないと思えた。












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