Lonely Lonely Lonely
4・再会
瑠璃子との再会は、私が異動になって、まもなくのことだった。
私、中山美久は、親戚のコネもあって、アパレルメーカーに入社して以来、ずっとその会社でお世話になっている。
異動というのは、今までのレディースブランドからメンズに移った、ということ。
その日、メンズの売り場で商品チェックをしていたところで、
「もしかして、ミクじゃない?」
そう声をかけてきたのが、瑠璃子だった。
「えっ、嘘、瑠璃子?久しぶり~。何年ぶりだろう」
「卒業以来だから、何年だろう。ああ、数えたくないわ」
「プッ、そうだね。その、めんどくさそうなものの言い方、懐かしい」
「まあね。見た目が変わっても、中身はそうそう変わらないから」
「見た目も、変わらないよ。さすがだね。磨きかかってる、ところで」
「なんで、いるの?」
二人の声が響き渡り、私達は思わず大笑いした
「こら!そこ、賑やかだぞっ」
フロアー店長に怒られてしまった。
しかし、
「おっと、沢田様と中山マネージャーでしたか。失礼しました」
「いいえ、こちらこそ、騒いでしまって……」
瑠璃子が丁寧に謝ると、
「いえ、いえ、とんでもない。こちらこそ、失礼致しました」
店長尻込み。
瑠璃子の美しさに目が眩んだか。
あれ?でも今、
沢田様って?
「瑠璃子、常連なの?」
「どうかな~。まあ、お客様へのプレゼントは、たいていここで購入してるけど。常連というほどでは……」
「お客様へのプレゼント、かあ。なるほど。飲み屋でも経営してる?だからキレイにしてるんだ」
「ちょっと、違うわよ!私が美容学校行ったの覚えてないの?無事に卒業して、パリに留学して、東京で経験積んで、こっちで開業したんだよ」
「すごーい」
「ミクだってすごいじゃん。マネージャーって、店長より偉いの?」
「え?ま、まあね。長くいすぎてさ」