Lonely Lonely Lonely

瑠璃子の話は、せつなくもあり、衝撃でもあった。



聞けば、私達が卒業してしばらくすると、星野先生は結婚したという。



そっか、じゃあその時に、別れたんだな……と思いきや、



「私、別れたくないって、ゴネたの」



ええっ!



「なんでそうなるの?」



私は、目を丸くして聞いた。
グミは、もう全てを把握している様子で、黙っていた。


「いないのよ。先生以上に好きになれる人が。だから、仕方ないでしょう?」



いや、いやいやいや。
それ、おかしいだろ。



「諦めなきゃダメでしょう~。てか、私なら、怒りでその人嫌いになっちゃいそうだけどなあ。
だって、ずっと二股されてたわけでしょ?結果、遊ばれてたわけでしょ?

耐えらんないよ。そんなの」



「じゃあ、美久の言う、結果って何なの?私と先生が結婚すれば良かったわけ?甘いよ、そんな考え」



なにも言えない。
瑠璃子の口調に、嘆きのようなものが入ってきた。



「私は、知ってたんだもん。大学時代から付き合ってる人がいたこと。二人が遠距離であるのをいいことに、わりこんだのは、私だし……。先生だって、可愛いがってくれたから」



初めて、瑠璃子がムキになった。



「一番悪いのは、先生だと思います」



冷静に、グミは言った。



「そうだね!そうだよね~!」



私がすぐに同意すると、



「そんなこと言わないでよ……」



瑠璃子は、悲しげに呟いた。
でも、私は納得がいかなかった。



「星野がやってたことは、犯罪だよ?でも私達は、真剣に二人が愛し合っているのなら、仕方ないことだと思って、誰にもチクらなかったんだよ」



グミが黙って頷いているのを確認して、私は話し続けた。



「それなのに……!
星野は最初から彼女がいたって?

あんた、遊ばれたんじゃないの?
おもちゃだよ、おもちゃだったんだよ、悔しくないの?」




< 71 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop