Lonely Lonely Lonely
瑠璃子の話は、せつなくもあり、衝撃でもあった。
聞けば、私達が卒業してしばらくすると、星野先生は結婚したという。
そっか、じゃあその時に、別れたんだな……と思いきや、
「私、別れたくないって、ゴネたの」
ええっ!
「なんでそうなるの?」
私は、目を丸くして聞いた。
グミは、もう全てを把握している様子で、黙っていた。
「いないのよ。先生以上に好きになれる人が。だから、仕方ないでしょう?」
いや、いやいやいや。
それ、おかしいだろ。
「諦めなきゃダメでしょう~。てか、私なら、怒りでその人嫌いになっちゃいそうだけどなあ。
だって、ずっと二股されてたわけでしょ?結果、遊ばれてたわけでしょ?
耐えらんないよ。そんなの」
「じゃあ、美久の言う、結果って何なの?私と先生が結婚すれば良かったわけ?甘いよ、そんな考え」
なにも言えない。
瑠璃子の口調に、嘆きのようなものが入ってきた。
「私は、知ってたんだもん。大学時代から付き合ってる人がいたこと。二人が遠距離であるのをいいことに、わりこんだのは、私だし……。先生だって、可愛いがってくれたから」
初めて、瑠璃子がムキになった。
「一番悪いのは、先生だと思います」
冷静に、グミは言った。
「そうだね!そうだよね~!」
私がすぐに同意すると、
「そんなこと言わないでよ……」
瑠璃子は、悲しげに呟いた。
でも、私は納得がいかなかった。
「星野がやってたことは、犯罪だよ?でも私達は、真剣に二人が愛し合っているのなら、仕方ないことだと思って、誰にもチクらなかったんだよ」
グミが黙って頷いているのを確認して、私は話し続けた。
「それなのに……!
星野は最初から彼女がいたって?
あんた、遊ばれたんじゃないの?
おもちゃだよ、おもちゃだったんだよ、悔しくないの?」