Lonely Lonely Lonely

「だって、愛しているんだもの」



もはや、私達では、どうしようもないな、とグミとため息。


頑固なほどの純粋な愛に、泣けた。


しかし。


「淋しいから、私、何人かと付き合っってるんだ。……ああ、恋人関係じゃないわよ。淋しさを満たすだけのお付き合い。お互い、きっちり割りきって。だから、相手は既婚者が多いの。」




「はあ?」



私は、おかしな声をあげてしまった。



グミは、いたって普通の顔をしていた、



「あんた、理解できるの?」



「いや……、でも、少し前にも聞いてたから、そんなに衝撃的ではないというだけで……」



困惑は、しているようだ。



「なんで、既婚者なの?たまたま?」



「楽だから、別れるのが。

独身者は、すぐに結婚しようって言い出すから面倒をだし、ストーカーにもなる人もいる。

既婚者は、そんなことしてるヒマないからね」




ほう、なるほど……。



それだけ、独身の男は必死だってことだよね。



って。何、納得してるんだ、私!



「良くないと思うよ。るりちゃん。そういう付き合いかた」



そうそう、グミの言う通りだよ。



でも、



「これが私なの。ごめんね。嫌なら、付き合いをやめてもらってもいいから」




「そんなこと……言わないでよ。あり得ないから」



グミは、すぐにそう言ったけれど、私は、何も言葉が出て来なかった。



救ってあげたいような気持ちがあったけれど、



私ごときに何ができるか。



結局は、本人が、おかしいことしてると自覚しない限り、無理だ。



無理だ…………。



「ちょっと!みくちゃん。なんでみくちゃんが泣くの!?」



「だって、救いようもないんだなって、考えたら、悲しくて」




「私は今、幸せだよ。なにもあんたが泣くことないし」









< 74 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop