Lonely Lonely Lonely
こんな風に、不定期的に、私達が会うようになって、1年が過ぎたころ。
仕事を終えて、帰宅した私に、
「はい、これ。来てたよ。ひさしぶりだね、涼くん」
母から渡されたのは、1枚のハガキ。
「涼?」
高校時代に、私の前から忽然と消えた、アイツ?
Bar tearsオープンご案内、と書かれた水色のハガキ。澄んだ湖のようなプリントの中に、見覚えのある手書きの文字。
「オープン記念スペシャルウィーク。必ず来いよ」
プッ……。客に命令口調かよ!
でも、元気そうで良かった。
涼が生きててくれて、良かった……。
ちょうど来週、瑠璃子達と約束している。二次会を、いつもの店と替えてもらおう。
楽しみだな。
そして、その日がやってきて、
二人に事情を話すと、
「へえ~。新しいBar!!」
「みくちゃんのボーイフレンド?」
それぞれの興味に瞳を輝かせ、
「じゃ、さっさとこの店出て、そっちに移ろう。ね?」
瑠璃子の一言で、そうなることに。
「楽しみだなあ。ねえみくちゃん、その人、どんな人?」
「どんな人って、わかんないよ。もう何年も会ってないもん」
「そっかあ、じゃあ、中学の時は、どんな感じだったの?」
グミからの質問は続く。
「ん~、いつもふざけ合ってた感じ?」
「そうじゃなくて!」
とは、瑠璃子。
「いわゆるガリ勉系か、体育会系か、ブサイクかイケメンか、そういうことでしょ?」
「ああ、そういうことか。じゃあ、ンー。勉強は、できたけど、ガリ勉じゃなかったよ。で、サッカーやってて運動神経は抜群に良かった。モテてたよ、たしか」
あいつが、彼女を作らなかっただけで------。
「てことは、イケメンだね。ますます楽しみだね、グミ!」
ウンウン、とグミは頷いていた。
どうしよう。涼が別人と化していたら。
メタボとか------。どうしよう、
おそろしいっ!!