Lonely Lonely Lonely
グミが喜んでいる隣で、瑠璃子は、どうやら気付いたようだ。
「ありがとう、マスター。ポテトフライも大盛りだったし、よっぽどみくと仲良しだったのね」
「なに言ってるの、るりちゃん。みくちゃんのお友達は、、、」
失言ではないかと焦っているグミに向かって、その美女は言った。
「俺ですよ。はじめまして、みるくの同級生の、涼と申します。いや~初めてだよ、すぐ見抜かれたのは。
けっこう、自信あったんだけどな~」
そう言いながら、涼はワインを注ぎ始めた。
「やっぱ、わかっちゃいます?男って」
「いいえ、分かりにくいと思いますよ。素晴らしいメイクだわ。それって、自分で?」
「はい、全部、自分で」
「すごいわね。よく見せて頂いてもいい?」
「ええ、どうぞ」
そう言って涼は瑠璃子の隣に座った。
「ちょ、ちょっとあんた、そういう趣味があったの?いつから?」
「専門のの文化祭でメイドカフェやって、俺、人気No.1になっちゃってさ。それから、ハマってしまった。ただそれだけ。
ここでは、時々ママになろうと思ってさ。
面白いだろ?そんな店」
「面白い、面白い」
瑠璃子は喜んでいるが、グミはまだ、失神寸前みたいな顔をしていた。
「驚かせて、ごめんね。えっと------」
「グミだよ。橋本めぐみ」
小声で、教えてやった。
「グミちゃん。次回は、しっかり、マスター涼くんでお出迎えするからね」
「び、び、び、んー」
「美人だって言いたいみたい。まだ現実を受け入れられないみたいね。
なるべく早いうちに、また来ましょう。
私も、あなたの素顔に興味があります」
瞳をぱちくりとさせながら、自分の顔を覗き込む瑠璃子に、少々尻込みしてきた様子。
「涼、この子、美容師だから、勘弁して」
「お、おお、そうなのか。どうりで」