Lonely Lonely Lonely
数時間が経ち、私達も帰ろうかと、支払いを済ませると、涼が、見送りに来てくれた。
「ハガキ、見てくれたんだよな。割り引きしといた」
「あっごめん!あれ、忘れて来ちゃって……」
ハガキご持参の方はお会計20%オフだったんだ。
「いいよ、出した客は、把握してるから」
「ありがとう。涼さん」
丁寧に頭を下げるグミに、
「どういたしまして。グミちゃん。また来てね。待ってます」
涼は優しく声をかける。そしてグミは、コクリと頷く。
そして瑠璃子は、
「目が飛び出すほど安くて、ビックリしたわ!」
「瑠璃子さん……もともと大きい瞳でいらっしゃるのに……(笑)。安くしているのは今週だけですが、どうぞ末長い、お付き合いを……」
「やだあ、そんな営業トーク。私、この店宣伝しまくってあげるから、こちらこそ、良いお付き合いをお願いします」
そう言いながら、瑠璃子は名刺を差し出した。すると、涼も、速やかに。
名刺交換を終えて、私達は、店を後にした。
元気よく、「また来ま~す」の言葉を残して。
「すごいね、あのお店、オープンしたばかりなのに、あんなにお客さま」
グミが目を丸くしていた。
「だって、まだ11時よ。夜はこれからじゃない~ああいう店は、これから混むんだよ」
瑠璃子が言うことは、もっともだと思った。
「だから、私達は、今日ぐらい早いうちに行くのが正解ね。涼ちゃんと、喋れるから」
涼ちゃん!?
涼ちゃんか…………。ま、いっか。
私が、どうこう言う問題じゃない。
お好きにどうぞだ。
きっと涼は、
「なれなれしい女だ」
なんて言わない。
むしろ喜ぶと思う。
自分だって初対面から
「グミちゃん」だもんね。
ま、昔っから人なつっ
こい奴だったからな~。
ふ~、と、大きなため息が出てしまった。