Lonely Lonely Lonely
「どう?グミ、すっぴんの涼ちゃんは」
瑠璃子は、まるで友達を紹介するかのような口調で、そう言う。
私の友達なんだけどなあ。
「うん、かなり、かっこ良くて、びっくり」
グミはイケメンに弱いようだ。
接するのは苦手でも、観賞はしたいんだな。
「でも、私は、女装してる涼さんのほうがいいかな。やっぱり、なんか今日は、緊張しちゃったよ」
「そうなんだ……。じゃあ、これからは涼ちゃんが男スタイルの日と女
の日、交互に来るようにしようか」
「それ、いいかもしれないけど、分かるの?」
グミが身を乗り出している。
「うん。今後は、月・水・金が男、火・木・土は女スタイルで、カウンターに立つ!って公言してたから」
「どちらも、素敵だもんね~」
グミの目が、ハート、というより、キラキラ光った星のようだ。
友人としては、グミよお前そんなに女装が好きなのか、と呆れてしまうけれどね。
確かに、アイツの女装は完璧だから、
女子会みたいになって落ち着くのかもしれない。
「ところで、瑠璃子。私達の話を、どれくらいしたわけ?」
「え?だから、ほとんどあんたの話だけど。私が聞いたこと隅から隅まで全部」
あっけらかんと、言うこの女。
「信じられない。私は、あんたとグミだから、話したんだよ。そんなに口が軽かったなんて……!」
なんだか泣きそうになった。
「だって、すごいウケたんだもん。みんなに、クスッ」
「みんな?って」
「ああ、その日はカウンターで飲んでたから両隣のお客さまと、カウンターには涼ちゃんと、バーテンの子がもうひとり、かな?」
「そ、そんなに?本気で、あたし、もうあんたのこと信じらんないから!」
「そんなに目くじら立てないでよ。涼ちゃん以外は、みくのことなんて、だ~れも分かっちゃいないんだから」
「分かるでしょ、少なくとも」
バーテンには!
私の鼻息が荒くなったところで、
「もう、やめてよ~。二人とも。なんでいつもこうなっちゃうの?
だけど今回は、るりちゃんが悪いと思う」