Lonely Lonely Lonely
「そっか。やっぱり、いるんですね。瑠璃子さんに、いい人……」
「そりゃそうだろ。あんないい女に、なんにもいないはずがない」
と、そこに、涼復活。
「るりちゃん帰ったんだって?珍しいな、あの子がこんなに早く帰るなんて」
どうやら、涼目当ての常連客も帰ったらしい。
するとすぐに、涼はここへ来る。いつもそうだ。次第に、周りの客の視線が厳しくなってくる。
私はそれが、嫌ではなかった。むしろ快感、といってはなんだが、まあまあ気分が良いものだ。
昔は、涼は目立つタイプなので、一緒にいると女子の目が痛かった。
だから、なるべく距離を置くようにしていたが。
歳を重ねると、図太くなるもんだ。
「今度連れてこいよ。見てみたいから。な?」
隣の水野君の賛同を促す。
「はい~。かなり興味深いですね」
あれ?さっきは、野崎くん、だったような気がしたけど……。
ああ、別人か。
水野に野崎か。しりとりかいな。
「無理ですよ!ねえ、みくちゃんも、拒否してよ!」
ボンヤリしていたら、
グミが涼達に絡まれていた。
「へ?ああ、そうだよ。そんなの無理だよ」
「そっか~。でも、チャンスがあったら、連れてこいよ。俺達の勉強になるから」
「勉強?」
「若い奴らに、いい男をたくさん見せてやりたいんだよ。男として成長してもらうには、ひとりでもいい男に出合って、刺激を受けたほうがいい。
あのるりちゃんを、骨抜きにする男、拝んでみたいよ。失礼なことはしないよ。
うちは、客商売だからね」
「だから、無理だって。あり得ないって言ってんの」
いつものように、声は大きめになってしまっているものの、
勉強か……。なるほどね。ちと納得。
瑠璃子と星野先生の関係は、なかなか、社会勉強になるかもしれない。
「ただでさえ、るりちゃんの出現は、俺達にとって衝撃的だったんだよ。
あの子は、男だったら、相当モテただろうな~」