Lonely Lonely Lonely
「まさか、そんなこと、あるわけな」
♪♪♪私の言葉が、グミのメール着信音に、遮られた。
グミは、呼吸を整えながら、メールを黙視した。そして、
「良かった~。来たって。仲間に引き止められて、なかなか抜け出せなかったんだって」
グミの安心した声に、皆がホッとした。
「もう~。人騒がせなんだから」
「お前、騒いでないだろ。心配してたのは、グミちゃん。ね、ほっとしたねー!」
相変わらず、私に優しくない涼。
「はい、ん~、正直、複雑な気持ちですけど、とりあえず……るりちゃんが泣く姿なんて見たくないし」
まあね。私も、不倫には反対派だけど、
「まさか、続いていたとは思わなかったし……」
私の小さな呟きを、聞き逃さなかった涼。
「長いんだな。その男と。いったいどんな男なんだ?」
「知らないよ。もう、20年近く見てないもん!」
「20年?てことは、同級生か?同級生と今でも続いてるって、そりゃスゲーな。結婚もせず」
ひとしきり感心している涼に、水を差したのは、グミ。
「違いますよ。るりちゃんのいい人は、同級生じゃなくて、先生です」
えっ、それ!
「言っちゃっていいの?」
私は焦ったが、
「いいんじゃない?私達のこと、勝手に話されてるんだもん。おあいこでしょう?」
はっ。そうか。
それもそうだな。
「……そうだね。そうだね~」
「言葉が出ないですね。瑠璃子さん、ああ見えて、一途なんですね」
うっとりするなよ、水野!
なんで先生との長い恋愛で、瑠璃子の株が上がるんだ?
ふしだらじゃないか。教師と生徒が、なんて。
まあ、私には先生なんてオヤジ、恋愛対象に見れなかったけど。
「ドラマチックですよね~。そんなことが、現実に、あるんだ~。すごいな……」