Lonely Lonely Lonely
ドラマチックねえ。
見る人によっては、そうなのかねえ。
「また、やられたか」
涼の問いかけに、
「はい、やられました。いろんな意味で」
半分ぼ~っとしていた水野が答える。
いろんな意味とは?
「飽きた男はザクザク斬っていく、と言っていたから、ただ冷酷な女性なんだと思っていました。でも、そうじゃなかったんだ……。ただひとりの、大事な人のために、寂しさを埋められなくて……」
「どうでもいい男をキープしておく。そんな女がキミには魅力的なの?」
私の問いに、水野は、黙った。
そして、
「あ、いらっしゃいませ~。涼さん、長谷川様ですよ」
「おう」
なんだよVIPか常連か?
見てみると、体格のよいおじさま。
涼は慌てて、スタッフルームへ。
そしてグミが、
「すみませ~ん、オーダーお願いします」
と、バーテンを呼んだ。
やってきたのは
ん~、ん~?わからない。多分、新顔だ。
「はい、お待たせしました~」
「えっと、梅酒ロックと、シーザーサラダを下さい。あら、あなた、初めてですね。お名前は?」
人見知りだったグミが、最近は誰とでも積極的に、そして流暢に話すようになってきた。
それに関しては、ちょっと嬉しい。
「青木と申します」
背が高く、ちょっと落ち着いた印象のある彼は、私達より少々年上に見えた。
「あのお客さまは、特別な方なんですか?」
耳打ちまで、するようになったか!グミ、良かったな!
「長谷川様ですか?はい、よく来て下さるお客さまです。建設会社の社長さんですよ」
「えっ、長谷川建設の社長?じゃあ、涼ったら、引っ込んでる場合じゃないんじゃん。早くご挨拶しないと……」