Lonely Lonely Lonely
「ところでグミちゃん。さっき大きい声出してたね。どうしたの?厨房まで聞こえたから、気になったんだけど」
「あっ、やだー。すみません。あれはね、るりちゃんが、身体の相性が良かったから、別れて残念と言ってたのを思い出したのと……。その写メの人が、その……いわゆる、(タイプ)の顔だったから、2つの驚きでして、ね」
「タイプ!?」
私、瑠璃子、涼、3人の声が重なると、さすがにそれは店内中に響き渡り、
店員達は、一斉に身を引き締めるような表情を見せたのが、おかしかった。
まるで、(俺か?)と、勘違いしてるみたいで。
おいおい、君たちのことじゃないから、そんなに緊張しなくていいよ。
と、言ってやりたかったけどね。
面白かったので、スルー。
「驚いた~。グミって、ああいうのがタイプなの?」
「うん。あ、かっこいい!と思ったの」
そんなダブルの衝撃で、あのおかしな声が出たのか。
ごめんよ、グミ。その、ワイルド系のかっこいい男は、
私の彼氏だから。
そして、
瑠璃子は絶対、間違ってるから!
「はっきりさせたくない?その、男のこと」
冷静な涼の声に、
「させたい、させたい!」
意外に、はしゃぎ気味のグミ。
沈黙の私と瑠璃子。
「涼さん、でも、どうやって……」
珍しく盛り上がってるグミ。
「俺に、考えがあるんだ。聞いてくれる?」
3人して耳を寄せると。
「悪いけど、みるくは、カウンターに行っててくれる?」
涼は私の顔も見ずに言った。
「えっなんで?私、仲間はずれ?ひどーい」
「そう言うなって。お前のための作戦会議だ」
「そんなの、頼んでないし」
面白くない。
おもしろくないっ!
「カウンター、誰がいるんだ?ああ、青木がいる。あの前、空いてるから、行っとけ。よく気が利く奴だ、ちょうど良かったな」
「全然、意味わかんないから!」
捨てゼリフを投げつけて、
私は、席を立った。
とりあえず、ここは涼の店。言うことを聞いておこうと思った。