月に降る雨
「カフェオレとブラック間違える なんて…、
貴史じゃないんだから 笑」
病室に戻ってカフェオレの経緯を話すと、
かず兄が笑いながら言った。
「え、まさか貴も同じ間違いを!?」
あたしが そう言うと、かず兄は また笑った。
「…ああ見えて、あいつは おっちょこちょい だからね 笑
カフェオレとブラックって訳じゃないけど、
色んな物を しょっちゅう間違えてるよ」
「そーなんだ」
…貴の話を してたら、
やっぱり…貴に会いたくなってしまった。
今まで送ってたのは、くだらない内容ばかりだった けれど、
今日は ちゃんと正直に″会いたい″ってメールしてみよう、かな。
…そしたら、返してくれる…かな?
会って、くれる…かな…。
もしかしたら貴は、本当に あたしを避けていたのかも しれないけれど…、
でも、心の中の どこかで、
あたしは まだ、貴のことを、…信じていた。