月に降る雨
「…リアには最後まで、言わないつもり だった。
一緒に行くかどうか訊いたけど、
もし あの時リアが行くって言って、香澄の病室に一緒に居たら…
言わないつもりで いたんだ。
でも結局、
和ちゃんが居たから、香澄にも言わなかったんだけどな。
誰にも言わずに行くのも、
それは それでアリかなって…思った」
「……」
「だから ここでリアに言う なんて、
予想外だよ 笑
ホントは最後まで言いたくなかったけど…。
…お前、こんな時だけ俺の心 読むの やめろよ 笑」
「……。
″さよなら″を言うつもりで……、
来た…?」
「…うん」
「でも あたしに さよならを言わないどこう って思ったのは……、
あたしが…貴が居なくなったら悲しむって分かってたから、だよね…?
わんわん泣く って、分かってたから……でしょ…?」
「リア…」
「あたしを泣かせたくない って…
思ってくれてるんだよね…っ?
傷付けないように…
してくれてるんだよね?
…だったら、
どうして、
何で……っ
何で……、…行っちゃうの!?」
……感情が、ごちゃごちゃ だ。
貴が、あたしの為を思って黙ってたのは…分かる。
でも…、
感情が ぐちゃぐちゃ なんだよ…。
おまけに話しているうちに、
ひっくひっく泣くから、
息が苦しい。
何で行っちゃうの、
何処に行っちゃうの、
どうして1人なの…?
…あたしは行けないの?
何も聞いてない、
どうして急に そんな事 言うの?
ずっと…一緒なんじゃ なかったの?
なんで どうして……