月に降る雨
貴に思いのまま、感情を ぶつけたい。
でも…出来ない。
あたしに最後まで"さよなら"を言うつもりのなかった貴に、
傷付けたくない と 考えてくれてた貴に、
傷付ける言葉を…困らせるような言葉を、言える訳がない。
あたしの感情には、行き場が…ない。
だから…
泣きじゃくりながら、
同じ言葉を繰り返した。
…ただ ただ、繰り返していた。
「何で……、…行っちゃうの?」
――″行かないで……″――